龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
次の日の夜、うちに悟くん達がやって来た。

司先生、巧さん、悟くん、末っ子の大輔くんまで。

あれ? 要さんは?


「要は非番じゃないんだ」

圭吾さんが言った。

「だが、今晩中に片をつけたいんでね」


みんな上下とも黒っぽい服装で、何だか泥棒にでも入るみたいだった。

みんな客間の和室に入って行き、わたしは入れてもらえない。

わたしは母屋の居間で、伯母様や彩名さんといることにした。

三十分くらいして、悟くんが顔を出した。


「しづ姫、圭吾が呼んでいる」


和室に行くとみんなは立っていて、どこかに出かける風だった。


圭吾さんは部屋の一番奥にいて、手招きをした。


側まで行くと小振りのハサミを渡されて、

「髪をくれないか? ほんの少しでいい」

と言われた。


わたしは髪を一房つまみ、三センチくらいのところで切った。


「ここに乗せて」

圭吾さんは白い和紙を差し出した。

「いつもは彩名に貰うんだけど、今回は君がいるからね」

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