龍とわたしと裏庭で④【クリスマス編】
両親が駆け落ち婚だったせいか、わたしは、恋愛って激しいものだとずっと思っていた。

想像していたのと違って、圭吾さんとわたしの恋はゆっくりで、穏やかで、心地好い。


ただ


時々、不安になる。


圭吾さんは満足してる?

わたしに合わせて、自分を無理矢理押さえ込んでいない?


見上げると、圭吾さんと目が合った。


急かさずに待っていてくれる優しい恋人

少しずつだけど、わたしも歩み寄るね


「どうした?」


「えーと……」

情けないくらい声が上ずった。

「今日、帰ったら……その……お仕事はない?」


「ないよ」

「一緒に……DVD見ない?」

「いいよ。何か見たい物あるの?」


う……考えてなかった

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