愛のない世界なんてない
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ピンポーン…………
インターホンを押した。
…………………ガチャッ…
ドアが開いた。
「あ……雛、………………雛?」
雛が目の前にいなかった。
「雛ぁ」
「おばさん」
………………何かの聞き間違えかしら。
雛がおばさんなんて言葉言う訳ない。
恐る恐る下を見た。
それは雛じゃなくまだ小さく幼い子供だった。
「あら…………もしかして………」
「お母さんはいないよ」
やっぱり空君………。
雛にそっくり。
雛もよくこの子産んだわ。
「今誰がいる?」
「誰もいない」
「そっかぁ」
私は家にあがった。
「ねぇ、ママどこ?」
「えっとねぇ、多分ショッピング」
「あら…………そう」
雛がいなくてつまんない。
いるのは空君だけ。
私は暇すぎて本棚を見た。
ガラスには指紋が付いてないからきっと、貴重な本で手につけてないのだろう。