人魚姫は籠の中で。




「…お前も王族なんだな」



そう言ったのは金色の瞳の男。



ああ、なるほど。

名前を聞いて、私が王族だと分かったからアイロは驚いていたのね。



魔界では、ファミリーネームに“フォード”が付くと王族を示すということを知らない者はいないはずだ。




「…はい。私は、海を統一する海王の娘…です」



先程から何故か金色瞳が私をずっと凝視しているから…



何か、喋りにくいな。




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