恋愛依存症
紀子にとって両親の離婚は、とても辛かった。



ママが、パパを諦めてしまったような気がした。

パパを、いつか救って、4人で幸せになるのが紀子の夢だったのに、紀子の夢は断ち切られた。


ママを、薄情だと思った。


綾音はパパがいなくなって笑うようになった。

ママもパパがいなくなって笑うようになった。

経済的にもとても安定した。

ママが洋服を買うようになった。

ママが綺麗になっていった。


紀子は無理して活発な優等生を気取るのをやめた。

どんどん暗くなっていった。
もしかしたら、もともとの性格に戻っただけなのかもしれないが。


紀子だけ取り残された気がしていた。


紀子、14歳。


男ができた。


恋愛に逃げて、物事深く考えない事にした。


男に夢中になった。


それからずっと

自分のことを好きだと言う男だけしか信じなくなった。













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