恋愛依存症


つまらなかった。


退屈だった。


《私は、何をしているんだろう?》

《こんな事でこの大事な6日間を終わらせてしまっていいの?》

分からなかった。


疲れもあって眠たかった。


来たことに後悔していた…




店を出て客と美咲さんを先にタクシーに乗せて帰らせた。

紀子もタクシーを止めようとしたが全く止まらない。

「チェッ!ほんとついてない…」

唾をはいた。

たった3日しかはたらいていないのに

気分はすっかり歌舞伎町の夜の蝶になっていた。



仕方なく、ぼーっと歌舞伎町の町を歩いた。



朝の5時を回っていた。

どこをどう歩いたのか、ふと、目の前の雑居ビルの中に入っていくスーツ姿の男性が目にはいった。


紀子はその男性の後をつけ声を掛けた。

「ねぇ、5千円で飲ませてくれない?」
< 41 / 47 >

この作品をシェア

pagetop