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「俺協力するから相談しろよ!」

今まで恋愛経験のない俺を見てきた龍夜は自分のことのように喜んだ。

「あ、よろしく」

「おぅよ!まぁその代わり、ジュリアと俺の仲も良くなるだろう作戦だ!」

なんだよその作戦。
ってか結局はお前の為かよ。

―ガラッ

「え~、本日はご入学おめでとうございます。これから入学式ですので廊下に並んで下さい」

見た目はエリート教師の奴がそう喋った。
たぶん俺等の担任だろう。
堅苦しそうなやつだなぁ。

「ほら並ぶぞ!」

龍夜は俺の袖を引っ張りながら廊下に連れてった。
はっきり言って金持ちのパーティよりだるい。
あれはあれで作り笑顔にならないといけないけど、入学式は座ったままだ。
腰が悪くなる。
俺はじじいかっ!
自分自身につっこみをいれてなんだか悲しくなった。




「新入生入場!」

誰かがそう言ったのと同時に吹奏楽部の演奏が流れ始めた。

誰一人として姿勢の悪いやつはいなく、さっきの黄色い声を出していた女子でさえも背筋をぴっと伸ばして席に座っている。
テレビで見る女子高生なんてのは一人もいなくてそこには上流階級の娘、息子がいた。
俺もそんなことを思いつつ背筋を伸ばして座っている。

「新入生、挨拶」

ジュリアが式台にあがった。

正直なんて言ってたかなんて興味なかったけど、彼女のブロンドの髪が光に反射して輝いて見えた。

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