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「そろそろ入学式が始まる頃かしら?」

「そうね」

二人は急に笑い出した。

「やっぱ無理!」

始めに言ったのはジュリア。

「お嬢様口調なんてありえないから(笑)」

「「ねぇ~」」

二人はさっきまでのお嬢様口調ではなく普通の高校生となっていた。
俺と龍夜は唖然。
話を聞くと、どっちが先にギブアップするかを賭けているらしい。

「二人も全然こんなんでいいから(笑)」

「だってあたしら高校生じゃん。堅苦しい話し方なんてそういう場だけでいいんだから」

俺等は唖然のまま席に着いた。

「あの二人面白いな。俺、気に入っちゃった~♪」

お前は女だったら誰でもいいくせに…
まぁ、俺もあの二人のことは結構気に入った。
今までにない出会いって言う感じか?

「実はお前もあの子気にいってんだろ?」

冷やかすように龍夜は俺の脇をつっつく。

「な、なわけね~だろ!」

思わず反論したけど、心の中にはレンがいた。
これって、恋ってやつか!?

「気持ちわりぃ~なぁ。何顔赤くなってんだよ!」

「なんでもね~よ!」

16歳の春。ようやく俺は初恋というものを体験しました。

ちらっとレンの方を見ると胸がドキッと鳴った。

「なぁ、お前マジで好きになったの?」

龍夜は俺の顔をのぞき込む。

「そうみたいだな~」




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