愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「これが水もしたたるいい男?ってヤツですか?……ぷぷっ」
腹を抱えて笑う光と、必死に笑いをこらえようとしている虎太郎の声。
プールに落ちた隼はというと、ニヤリと笑って、水に入ったまま手を伸ばす。
あ、と思った頃には、光と虎太郎も消えていた。
――ドボーンッ!
「ちょ、隼さん!なにするんすか!!」
「そんなんお前等が笑うからだろ!」
「ゲホゲホッ、やべ、俺水飲んだ……」
隼に抗議する虎太郎と、水を飲んでしまったらしい光。
隼はそんな二人を見て笑っている。
何やってんだか。
だけど、いくら夏だからってもう夕方。
気温が下がっていくこの時間帯に濡れたままでいれば風邪を引く。
確か、誰かが何枚かタオルをこの裏庭に持ってきていたはず。
チラリと見渡すと、ウッドデッキの隅に置かれた荷物の山。
お菓子やらお酒も見える中に、タオルも置かれていた。
それに近づいてタオルを三枚手に取ると、あたしはプールへと駆け寄った。