愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



年齢差もそれに拍車をかけた。

由美さんは大人っぽいけど、親父の20歳年下だった。親子でもおかしくない年齢差だ。むしろ俺と由美さんの方が近いくらいだ。

そんな由美さんが、母親になる? 母さんが座っていた椅子に座って、母さんと同じ寝室で眠って、母さんと同じようにそこで笑うのか?

――違う、それをしていいのは母さんだけだ。俺には到底、受け入れられない現実だった。

それから俺は、幼なじみの蓮と悪い遊びを覚え、獅龍に入り家に帰らなくなった。

俺の居場所はもう、家には無かった。



それから4年経って、俺は今日17歳になった。

いつの間にか自分にも性欲が芽生え、性行為を覚え、その行為に対して気恥ずかしい気持ちはあっても気持ち悪い、と思っていた気持ちは消えた。

それでも俺は、未だに受け入れられない。受け入れたくない。あの人は母親じゃない。俺の母さんは一人だけで良い。



頼むから……俺の中の母さんを、奪わないでくれ。



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