愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
でも、かわいいけど……ちょっと近くないか?
そう思ったときだった。
その一言が、美樹から発されたのは。
「たかおにーちゃ!」
衝撃的だった。
美樹が、俺を呼んだことが。俺を認識していたことが。
去年の美樹は人見知り中で、俺に近づきもしなかったのに。
年に1回しか来ない俺を、たった2回しか会ったことのない、2歳の美樹が覚えているわけないのに。
目の前が、簡単に歪んだ。
まばたきすれば、クリアになる。
頬が濡れるのが分かる。
そこに触れている、美樹の手も濡れてしまう。
「たかおにーちゃ?」
クリアになった視界に映るのは、ニヤニヤしているナオとユウ。嬉しそうに、泣きそうに控えめに笑っている由美さん。
美樹に泣き顔を見られないように、美樹を胸に閉じ込めるように抱きしめる。
「なんでっ……」
「毎日頑張ったんだよねー、由美ちゃーん」
「兄ちゃんの写真見せながら覚えさせたんだよ」
俺の疑問に答えるように、ユウとナオが言う。
そういうことか。
「くそっ……」
そういうことかよ。
仕込んでたってことか。美樹に、俺の名前を呼ばせるように仕込んでたってことか。
美樹を使って、俺をここに戻す気満々だったってことか。