手紙でXXXして。
フードがばさりと落ち、よく日に焼けた顔がこちらを向く。

「裕介?なんで」

彼はポケットからやたら分厚い、懐かしい青いそれをあたしに突き付けた。

「あいつからの手紙だ」

「なんで、裕介が?」

あたしが尋ねると裕介は、うつむいた。

「今、俺あいつの付添いしてんだ。俺、大学で福祉介護の勉強してたからさ。用事があって一時帰国俺だけしたんだけど、またあいつんとこに戻るつもり」

「一時帰国って…実どこにいるの」

白い息があたしと祐介の口から漏れていく。

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