ONESTAR
「ごめんね……。あたし、やっと目が覚めたの……ダメだね、本当に……でね、あたし、店長さんのこときっぱり諦めることにしたの。だからもう平気……。」

全然平気じゃないくせに、強がるねーちゃんは相変わらずだ。

なんて、

なんて愛おしい。

俺は、右手で一駅向こうのアパートにいるはずのねーちゃんを抱きしめる。

泣きながら、俺に強がりを言うねーちゃんを。

「……諦めることなんてないよ。」

「え?」

「もうじき店長は、あんたの良さに気づくから。」

「ヨシアキ?」

「バイバイ、ねーちゃん。」

永遠に、

バイバイ。
< 291 / 474 >

この作品をシェア

pagetop