ONESTAR
慌ててナツキは立ち上がったが、店長の母親の姿がもうどこにもなかった。

「邪魔しちゃ悪いから帰るって。」

「何か言ってた?」

「何かって?」

「こないだここで会った時、この炎天下に帽子を被らずに外に出るなって怒られてさ、熱中症になるからって。」

は。

自分の息子を救う唯一の存在に、

そんな説教をするのか?

おまえだけがカズシを救えるのって言ってたなんで、

絶対言ってやんないもんね。

「それよりさー、店長のお兄さんとどんな関係?」
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