ONESTAR
「どうしてうちにいるんだ?」

「え?ああ、ヨシアキに呼ばれたの。ちょっと相談があるって言われて。悩んでるのよね、ヨシアキ。」

ねーちゃんが、俺を見る。

店長に憧れてイタリア料理のシェフになりたい、ってのが、

嘘八百だってのはバレバレだったらしい。

「うん。」

「何だ、トモミには相談したのか、ヨシアキ。」

「別にいいだろ。」

話を広げられたくなかったので、不機嫌にぶった切ってみる。

俺が知りたいのは、

何でこの家に踏み込むのも二の足踏んでたねーちゃんが、

今、こうして、家族揃って食卓を囲んでるかってことだ。
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