ONESTAR
「ごっ、ごめんなさい、まさかトモミちゃんが来てくれるなんて思わなくて、

い、いつもはあるの、いつも、あの、トモミちゃんは、アヲハタのブルーベリージャムが好きだって聞いて、

あたしずっと買ってたんだけど、おととい切らせちゃって、

あの、あ、あたし、買って、買って来るわね、ちょっと待ってて!」

舞い上がりすぎだよ、おふくろ。

おふくろは、ものすごい勢いでテーブルから立ち上がると、

引きちぎるようにエプロンを外した。

「おいおい母さん、」

「すぐよ、すぐ。トモミちゃん、ちょっと待ってて、すぐに、」

そのまま走って行こうとするおふくろに、

不機嫌な声でねーちゃんが言った。

「お母さん。」

一瞬にして、

食卓の空気が止まる。
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