愛花
゛アヤの絵は心があるよ。だから人の心に訴えるものがあるのよ。″

ミヤビは言ってくれる。

ちょっと照れくさい。

誉められるのはくすぐったい。

ミヤビの彼、編集者の仲矢さんも誉めてくれる。

゛アヤちゃんの絵は作家さんにも評判好くてね。絵を見ていたら煮詰まった作品が進むらしいよ。担当さんが喜んでいたよ。今度、製本されるときも頼みたいって言ってたよ。″

゛ありがとうございます。いいんですか?私の絵で…″

゛もちろん!ところでペンネームつけない?″

゛えっ…″

゛私もペンネームつけたほうがいいと思うな。″

ミヤビも言う。

゛真中さんだから、字を変えて愛花でまなか、妖子の一字を取って妖でようでどうかな。″

゛愛花 妖…まなか ようですか。素敵です。ありがとうございます。″

゛いいね。素敵だわ。さすが悠史!″

ミヤビに言われて仲矢さんはちょっと照れていた。

ミヤビと仲矢さんは素敵な恋人同士に見えた。

この時から私はイラストレーターの道を進むことになる。

そして担当の編集者は仲矢悠史だった。

< 36 / 70 >

この作品をシェア

pagetop