双華姫~王の寵姫~
王の言葉が紗里の耳に届いていたかは分からない。



王も紗里の事など気にもならない為部屋を出て行く。





紗里の「お待ちください」という声が聞こえた気もしたが気にせず部屋出る。





後ろから泣き声が聞こえてくるが、自業自得だろう。




人を呪わば穴二つ。落ちる気がないなら、無闇に手を出すべきではない。






実際の所紗里のように分かりやすければ助かるが、本当に厄介なのは味方のふりをし近付き追い落とすもの。





誰にも分からぬよう手を下す者たちだ。




紗里以外にも那智を快く思っていない者は後宮や朝廷、探せば陽の国のあらゆる所にいるだろう。



恐ろしいのは姿形を見せぬそのような者たちだ。



欲望や嫉妬。打算に駆け引き。




生まれた時から常に付きまとうその感情はこの後宮に一番渦巻いている気がする。





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