時を止めるキスを
淡々と告げられた衝撃的なひと言に、思わずスマホを放り投げてしまいそうだったのをなんとか堪えた。
「はああ?別れたいってどういうこと!?」
「他に好きな子が出来たから、悪いけどもう無理。勝手でごめん」
「なっ……勝手って!」
「じゃあ、荷物は宅急便で送るから。今までありがとう」
別れの理由を問い質すのはおろか、文句すら言わせて貰えない。怒りがふつふつと沸いた頃にはもう、ツー・ツーと無機質な通話終了音に切り替わっていた。
浮気してるっぽいけど結局は私のところに帰ってくる、なんてのんびり構えている合間にも、タカシと相手の女の親密度はグッと増していた事実。
一体いつから“つまはじき”にされていたのかと思うと、ひとりで余裕ぶっていた自分が恥ずかしくて、悔しさと虚しい涙がポロポロと零れていく。
「う…、ひっ、く…っ」
大体、別れ話をするのに電話なんてひどい。その台詞だって、“ムリ”という拒絶のひと言。まさかこんなにもアッサリ捨てられると想像出来るわけもないのに。