時を止めるキスを
苦しさと熱に満ちた吐息と押し上がる鼓動。いつしか背後のドアとくっついていた私の膝と膝のあいだに、グッと自らの膝で割って入ってきた男とも密着してしまう。
「や、……っ、ふぅっ、」
――ここは会社なんですが……!此処はこんなコトをする場所じゃないですよ!?
これでも、当たり前の道徳心くらいは持っているのに。それも簡単に取り払われてしまい、思考力はどんどん薄れていく。
差し込まれた熱い舌の翻弄され、瑞々しい音を立てながら求めてしまう自らのフシダラな部分が暴かれていくのは止められない。
すっかり抗うのも忘れた頃、後頭部を支えていた彼の手の矛先が私のスカートへと移っていた。
骨張ったあの手で生地越しにさらりと軽く太股を撫で回されただけなのに、ピクンと甘い感覚が迸っていくのを感じる。
「もう降参?」と冷たくもセクシーな声色を響かせた男に、耳たぶをペロッと舐められてズクンと走る甘い熱。