時を止めるキスを
「これが理由?」
折角の美人度を台無しにするような険しい顔で反芻したため、宥めるように小さく笑って頷いた。
「割り切ってますから」
「え?どういう意味?」
言葉足らずの言い方には、やっぱり納得していない様子だ。
「大丈夫です。もうすぐケジメつけますから」
聡い彼女はもう察しているはず。……私とチーフのふしだらな関係に。
私の突然の宣言に驚いたようで今度は彼女の方が、「え?」と困惑した表情に変わっていた。
「私が悪いんです。あの優しさに甘えていた、……どうしようもなくズルい女なんです。
だから柚さん、きちんと話せるようになるまで……もう少しだけ、待って貰えますか?」
この1ヶ月のあいだでドラゴンと寝てしまったのは6回。
拒否しなければいけなかったのに、“今日が最後”とズルズルと誘惑にほだされて今に至る。
「人間はズルくて当然よ。それに辛い時は、甘えられる人がいるなら頼っていいの。
たとえそれがどんな方法だって、痛みが少しでも和らぐならね」
「すみません……」