時を止めるキスを
ついに我慢出来なくなった嗚咽まで漏れだし、小刻みに身体を揺らしてしまう。
そんな私をさらに抱き寄せる男に、「ばかぁ」とどうにも出来ない苛立ちを吐いていた。
「バカはそっち」
「そ、うだけどっ!でもっ、ち、がいますっ」
「何だそれ。そもそも、彼氏に未練タラタラなのは誰だよ」
「そ、そっちこそ、か……、彼女っ!いるクセにぃい!」
すっかり思考回路がショートした私は感情が抑えきれず、なおも冷静な男の胸をグーで叩き続けた。
「はあ?3ヶ月前に別れてるけど」
しかし、その両腕を封じられてしまい、怒り任せの反撃はあっさり終了。幾許かして私が落ち着くと、再び彼の胸にすっぽりと包まれていた。
「……は?」
そのぬくもりに浸る前に、衝撃的な事実を告げられた私は口をポカンと開けて彼を見上げてしまう。
「俺もそのまま返す」
「はあああ?!わたし!?私!?いやいや、嘘つきはそっちでしょっ!?
だ、だって、チーフの家っ!女物の靴とか化粧品とかっ!ほ、ほらっ、ホワイトボードもっ!」