キミのことを ずっと
だけど……


まっすぐ私を見つめる瞳。


本田さんの体温を感じ、私の心臓は煩いくらいにドキドキしている。


これじゃぁ、私、本田さんの事好きみたいじゃない。


って、そんな事あるわけがない。


最近、恋をしていない私。


久しぶりに、男の人を近くに感じ、緊張してるだけだよ。


きっとそう。


黙っている私に


「玲子さん、今から帰るんでしょ?傘に入れて」


私から離れた本田さん。


そう言うと、私の手から傘を取り、開く。


そして、私の方を見て


「玲子さん、帰ろう」


あまり関わりたくない人。


だから、その傘は本田さんに渡し、私は会社の置き傘を借りてもいいんだけど。


本田さんの言う事に逆らえないみたいに、何故か身体が勝手に動く。


そして、私は本田さんと1本の傘をさし、並んで歩く。


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