キミのことを ずっと
少し落ち着いていた私の心臓が、また煩く動き出す。


「冗談はやめて下さい」


それを気付かれないように、冷たく言い返す。


男の人に、久しぶりに『好き』だなんて言われたから、ドキドキしているだけ。


「まぁ、玲子さんは俺に興味なんてなさそうだけど」


そうだよ。


本田さんは取引先の人。


そうとしか思っていない。


なのに、何でドキドキが止まらないの?


「でも、これから玲子さんは俺の事好きになるから」


はぁ!?


何を言っているの?


やっぱり私は、こんな風に自分に自信アリなタイプは嫌い。


そう思った時。


本田さんは掴んでいる腕を引っ張り抱きしめる。


そして、私の視界が暗くなる――…


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