人心は、木漏れ日に似る
ちょっとごめんね、今連絡を取るから、と告げて、沖下はトランシーバーを手に、詰め所へ一歩下がった。


階上から、ふざけた声がかすかに洩れる。

生徒が行方不明だというのに、のんきに笑い話に華を咲かせているのだろう。


お前は、と海里は、ほのみに声をかける。

「お前は……なんで、探す気になったんだよ」



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