人心は、木漏れ日に似る
ぱたぱたと軽い音を立てて、荘田ほのみは3階へ向かう。


その足音を掻き消すように、寝所となる部屋からは、つぶてのような話し声が飛んできた。

断片的な笑い声や怒号はきっと、江上冬乃に向けたものではない。


「だろ!?
俺もあの子、可愛いと思ってたんだよ!」

「なあ、静かにしろよ。
迷惑だろ~?」


布団を敷き詰めた男子部屋の中。

そこへ押し込められた生徒たちは、めいめい好きなように時間を過ごしていた。


寝転がって本を読む者、早くも布団に潜り込む者、その布団をめくって写真を撮ろうとする者。

枕投げをしようとしきりに叫んでいる者もいる。



< 85 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop