ただ今、政略結婚中!
すでに彼は支度を済ませ、近づいてくる素敵な姿に私はぽけっと呆けてしまった。


すぐに我に返り、頭を振ってから口を開いた。


「近くまで来ていたのならそう言ってください」


目の前に立つ隼人さんの素敵な姿にドキンと心臓が鳴った。


それから早鐘をうつように心臓が暴れる。


白のモーニングコートを着た彼はネットで見たよりも、ずっとずっとカッコいい。


この人が私の旦那様になるの?


「で、用と言うのは?」


携帯をポケットにしまうと、彼は口を開いた。


「用ではなくて、ちゃんと話し合わなくて良いのか聞きたかったんです」


「話など必要ないだろう?……あぁ。そうか、これが欲しかったのか?」


何を言っているのかわからないまま、彼の腕が私の腰に回り、強く引き寄せられた。






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