ただ今、政略結婚中!
「な、なん――」


訳がわからず言おうとした次の瞬間、唇を塞がれた。


「ん――っ」


驚いてぎゅっと唇を閉じていると、キスを止めた彼がバカにしたように私を見る。


「口を開けよ。キスにならないだろ?」


「えっ!?」


再び彼の薄めの唇が私の唇に重なり、強引に舌を割り込ませてくる。


「ん……ふ……」


強引に割り込ませた舌は、口内をさぐるように動き、舌を吸われる。


こんなキス、知らない。


身体の芯が熱くなって、全身が気だるい感覚。


「っ!い、いやっ!」


手のひらをギュッと握ると、彼の胸を乱暴に叩いた。





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