ただ今、政略結婚中!
お化粧を直し終わった頃、ママとパパが顔を見せ、親友の麗香や友人たちがお祝いを言いに来てくれた。


顔は幸せそうに笑みを浮かべていたけれど、刻一刻と、結婚式が近づいていくと泣きたい気持ちになった。


麗香たちと話をしながら、顔では幸せそうな笑顔を作り、心は迷いっぱなしだった。


確かにルックスはそこらへんにいる男性より数段、ううん数十段も上だけど、性格が最悪じゃない?


彼のような性格は、好きじゃない。


理想は、私を優しく包み込んでくれるような人。


私の理想と真逆な人。


本当に結婚してしまっていいの?


今なら止められる……。


また迷いが訪れた。


彼ともう一度話そうと立ち上がった時、式の進行係の男性が現れた。


「お時間でございます」


その言葉に心臓が跳ねあがった。




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