ただ今、政略結婚中！
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朝倉ホテルのチャペルはユリをメインに見事な花々が飾られていた。


花房流の次期家元だった方がアレンジメントしてくれた花。


家元の座を捨てて、従妹の女性と結婚したあの時は週刊誌で取り上げられていたのを思い出す。


私が高校生の頃だった。


とても素敵な人で、結婚式の打ち合わせの時に夏葉さんと会ってドキドキした。


今や華道家　夏葉として引く手あまたの人。


彼は誠也さんと同級生で、今でも交流があることから引き受けてくれた。


私が持っているバッグ型のブーケは黄色いお花ばかり集められて作られたものでとても美しい。


チャペルは白いユリのお花を主に、葉のグリーン、ヴァージンロードの赤で、洗練されたとても美しいものに仕上がっている。


短い間に式を作り上げるのは大変だったはずだけれど、すべてウエディングプランナーがやってくれた。


ほんの少しの打ち合わせに出るだけで良かった。


私もほんの少しだけれど、隼人さんはまったく打ち合わせに出ていない。


もちろん遠いニューヨークにいるのだから無理なのだけれど。


オーダーメイドのモーニングコートは、大学時代から体型が変わっていないらしく、紫藤家御用達のテーラーにデータが残されていて作られた。


本当に結婚に無関心なんだと怒りがこみ上げる反面、感心してしまう。








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