ただ今、政略結婚中!
用意されていたパンプスを履いてみる。


それはかなり大きく、今まで履いたことがないほどヒールが高くて、歩くとすぐに転びそうになる。


「……」


何か履けるものがないかとクローゼットを開けてみると、中にスリッパを見つけた。



******



廊下に出ると、隼人さんは背を壁にもたせ掛けた状態で携帯電話を見ていた。



私の姿を見るとポケットにしまい近づいてくる。


「靴は?」


紫色のドレスには何も言わず、足元に目を移してから私の顔を見て言う。


「大きくて歩けないんです」


じっと見つめられて、視線を隼人さんの足元にそらしてしまう。


そこへ私のむき出しの肩がジャケットに覆われた。


「ぁ……」


掛けられたジャケットを無意識につかむ。


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