ただ今、政略結婚中!
樋口さんは気を悪くした様子もなく、笑みを浮かべて頷く。


「ええ、ハネムーンみたいなものですものね。私達は別のテーブルで飲みますからお気になさらないでください」


ふと視線を感じてジョンを見ると、視線がぶつかった。


ジョンは笑っていなくて……むしろ、不機嫌な表情に見える。


『行きましょう。樋口さん』


英語に切り替えたジョンは見つけたテーブルの方へ行ってしまった。


その後を私達に頭を下げた樋口さんが追いかけた。


変なジョン、いきなり英語にしなくてもいいのに。


ふたりがテーブルに着くところを見ていた私は両頬を手で囲われて向きを変えさせられた。


「ジョンを見ないで俺を見ろ」


「だって、ジョン気を悪くしちゃったみたい……」


「彼らは邪魔者に過ぎない」


「邪魔者って……」


「言っただろう?口説くって」


口説くって……私を……?冗談かと思ってた……。


隼人さんの言葉に目が回りそうだった。


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