ただ今、政略結婚中!
「まったく……今までよくトラブルにあわずに過ごせたものだ」


「ははっ、隼人さんにいつも変な所をみせちゃうね?」


涙が出ないほど泣いたのに、また目頭が熱くなった。


ドレスの裾を手繰り寄せて、ぎゅっとしぼり俯いたままでいた。


「部屋に戻ろう。すっかり濡れネズミだな。いくらなんでも風邪を引く」



******



部屋に入ると、冷房が効きすぎるくらいに効いていて、隼人さんは即座に冷房のスイッチを切った。


それからすぐにバスルームへ連れて行かれる。


「隼人さんが先に入って。濡れたドレスを脱いで、バスローブに包まっていれば大丈夫だから」


「震えているのに強がるな」


バスタブのコックをひねると、お湯が勢いよく満たしていく。


隼人さんはスーツのジャケットを脱ぐと、私のドレスのジッパーに手を伸ばした。


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