ただ今、政略結婚中!
「ちょっと、座ろう」


麗香に支えられながら、手を洗うとリビングのソファに座らされた。


私を座らせた麗香はテレビ横のサイドボードの扉を開けてブランデーをグラスに少し注いで戻って来た。


「少し飲んで。顔色が悪いよ」


手にブランデーグラスを持たされると、機械的に口元に運ぶ。


一口飲むと、喉から熱を帯び、胃に向かってかぁーっと熱くなる。


「麗香、話して。隼人さんは何を言ったの……?」


「決まっているじゃない、亜希が別れたがる理由よ。相当、焦っている感じだったわ。結婚式ではクールそうに見えたけれど、違う面もあるのね?」


「それで……話したの?」


「話してないって、さっき言ったでしょう?」


私はほっと肩を撫で下ろす。


ほんの少しのブランデーなのに、身体が熱くだるさを感じる。


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