ただ今、政略結婚中!
「ねえ?亜希、隼人さんはあんたをあきらめないわ。きっと理由をつきとめるはず」


「どうして……そう思うの?」


麗香の言っている根拠は何?


「だって、亜希を愛しているから。電話でもひしひしと伝わって来たわ。少しの間、あなたをよろしくって」


何を思い出しているのか、麗香が笑っている。


「本当に何も言っていない?」


「もう、あんたってそんなに疑り深かったっけ?考えて見なさいよ。亜希がいなくなったんだから、あの女はすぐ彼にモーションをかけるはず、彼が拒絶したら、本を持ち出すでしょう。そうなったら、行く先は見えてるわ。恐ろしい女より、あんたを取るって。すべてを失った彼は亜希の元に戻って来る。どう?私の読みは?」


「すべてを失っちゃだめなの!そうなったら、私が身を引いた意味がなくなるっ!」


私は激しく首を横に振った。


その途端、頭の重心がとれずに手を額に置いて俯く。


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