ただ今、政略結婚中!
「お前には本当に悪かった。何かに悩んでいるのはわかっていたが、エステルが絡んでいるとは思ってもみなかったよ」


「本当に出版されない?」


半信半疑で聞く。


「あぁ。念書を書かせたし、あれが出たら俺も反撃すると警告した。今はジョンとうまくやっているだろう」


そう言って一口、シャンパンを口にする。


「ジョンとうまくって……恋人同士にってこと?」


「奴は会社を自分から辞めたよ。今後、ふたりはイギリスで生活するそうだ」


隼人さんの情報収集力にエステルは敵わなかったようだ。


「ジョンが謝っていたよ。その後で、俺が殴っておいた」


ピクッと身体が反応してしまう。


嫌がらせをされたことを隼人さんは知っているんだ。


「……うん」


もう二度と会うことがない人なのだから、すぐに忘れられる。



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