ただ今、政略結婚中!
キョロキョロと頭をめぐらしながら探していると、横から声をかけられた。


「亜希ちゃん?」


若い男性の声はこの会場で誠也さんしか知らない。


それに誠也さんは私を「亜希さん」と呼ぶ。


誰だろう?と横を向くと、懐かしい男の人が立っていた。


「健ちゃん?」


「あぁ、やっぱり亜希ちゃんだ 綺麗になって見違えたよ」


目の前に立った人は、実家の近くに住んでいた2つ年が離れている阿部 健太さんだった。


「すごいな、こんな所で会うなんて 君も紫藤不動産に就職していたんだ」


あっけにとられて健ちゃんを見ていたら、彼の誤解に気づいた。


「え?ち、違うの」


「違う?何が違うの?」


高校の時よりも、精悍さが増した健ちゃんは首を傾げて私を見る。


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