ただ今、政略結婚中!
「え……っと、結婚したの」


夫が紫藤不動産の御曹司だという事が言いづらい。


「そうなんだ?驚いたな、じゃあ、旦那がここに努めているのか、誰だろう?俺の知っている人かもしれないな 苗字は?まだ新婚さん?」


昔からせっかちだったけれど、今もその喋りで変わっていないことがわかった。


心の中で笑い、なんて答えようと思案を巡らしていると、肩に手が置かれた。


驚いて手の持ち主を見ると、隼人だった。


隼人は不機嫌そうに健ちゃんをじっと見ている。


健ちゃんを見ると、ポカンと口を開けていた。


「阿部、俺の妻に何か用か?」


「え?し、紫藤本部長の妻?」


私と隼人を見比べる健ちゃんは目が飛び出そうなほど驚いている。


「健ちゃんと知り合いなの?」


健ちゃんの驚く顔を見て笑いを堪えながら、隼人に聞いた。


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