ただ今、政略結婚中!
小一時間が経った頃、隼人が立ちあがり私の方へ歩いてきた。


もしかしたら……と淡い期待をして、健ちゃんの方を向いて話ながらそんな事を考えていると、隼人はそのままドアを開けて出て行った。


なんなのよう……。


頬が自然と膨らんだ。


「本部長、怒っているよな……」


健ちゃんが私の耳にこそっと呟く。


「もう知らないっ」


深いため息が漏れる。


そこに嗅いだことのある香水をまとった女性が、私の後ろを通り過ぎた。


その香りにハッとして、後ろを見ると隼人の隣にいた女性だった。


彼女は隼人を追いかけて出て行ったの……?


「健ちゃん、レストルームに行ってくるね」


「あ?ああ 場所、分かる?」


「出れば分かると思う」


私は立ち上がると、ドアを開けて部屋を出た。


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