ただ今、政略結婚中!
顔を傾けた隼人は唇を重ねた。


「んっ……」


すぐに入り込んでくる舌は、貪欲に口腔内を動く。


突然キスされて嬉しいけれど、このキスに隼人は楽しんでいない……。


それでも、隼人のキスに翻弄されて瞼が閉じかけた時、ハッとなった。


「ダ、ダメ……」


思わず顔を横に背けると、今度は喉に口付けされる。


「あっ……」


私はその行為も避けようと、理性をかき集めて隼人から離れた。


「こ、こんな所で……いや……」


大きくかぶりを振っても、隼人の表情は一つも変わらない。


やっぱり怒っているんだ……。


「人が入ってくるかもしれないのに……それに……」


部屋の中は電気の灯りが煌々と点き、外から丸見えになる。


いくら見えづらいからと言って、こんな所では嫌だ。


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