ただ今、政略結婚中!
「おそらくルームサービスだ」


隼人は私から離れ、ドアを開けに行った。


ワゴンを押しているのは隼人だった。


良かった ボーイさんと顔を合わさなくてと、ホッとした。


窓辺から離れて、ワゴンに近づきテーブルに並べるのを手伝う。


銀のスープポットの蓋を開けてカップに淹れようとした時、オニオンスープの匂いが胃を刺激し、急に胃液がこみ上げて吐き気を感じた。


なんだろう、急に……。


急いで口元に手をやると、隼人が驚いた様子で私を見ている。


「どうした?気分が悪いのか?」


「うっ!」


私は隼人の問いに答えられないまま、洗面所へと駆け込んだ。


座り込み、ひとしきり胃の中のものを吐き出すと、ぐったりと壁にもたれた。


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