ヤンデレ彼氏に迷惑なほど愛されて
――本当に住んでいるのか?
そう思うほど、生活感が感じられなかったのだ。
シワがないベッド。クローゼットは長年開けていない面持ちにも捉えられる。
これならばホテルの一室の方がより生活臭を感じさせるものだ。
着せ替え人形に与えた部屋のように、ミナナがおおよそ見る分には、ここに“誰かが住んでいた”という過去の連想はできなかった。
当の彼は、そんなミナナの心中を気に止めずにベッドに座る。
その際、代わりに持っていたミナナの荷物を床に置く。荷物――袋の中身は果物だ。床に置いても構わない。
「どうしたの?」
「いえ……」
ベッドに座る。
藍色の布団に初めてシワができたように、何本かの道が出来た。