ヤンデレ彼氏に迷惑なほど愛されて
――あ、匂いした。
抱きつく彼からやっと感じた。やはり部屋自体からは何も出ないのだ。
彼も彼で、ミナナの匂いを感じているのかすうと息を深く吸っている。特に珍しいことではなく、よくあることだ。
いいですとは言ったが、実際には寒く、寄り添う彼の温もりは心地よかった。
体温を求め、こちらからは抱くことはしないものの、ミナナは彼を受け入れた。
左腕は肩付近に、右手は腹部に。絡み付き、彼の唇は首筋にあった。
「なんだか、生活感がありませんね」
いい加減、疑問にあったことが口に出てしまった。
「ああ。あんまり帰らないからね」
首筋にあった唇が、顔をあげたらしく耳元に来た。ミナナの鼓膜に配慮――音量に注意した声は、僅かながらの息を持ち込み、微かにミナナの指先を動かせた。