ヤンデレ彼氏に迷惑なほど愛されて


「ミナナと過ごした時間は、色褪せないし、忘れない。どれもが俺にとって、幸福な記憶(絵)だから」


「そうですか」


前にも似たような会話はあった。


彼はミナナとの時間を忘れない。


嘘か真かを知るには、答え合わせができない。ミナナの中の記憶像は薄らいでいるのだから。

昨日一昨日までなら覚えているが、それは一般的記憶力に過ぎず、彼に試しても一般的を呼ぶにすぎない。


それこそ一年前だとかになるが、それではミナナの記憶が忘れ去れているので、彼が覚えていることが事実と断言できないのだ。


「あなたが言うには、本当なんでしょうね」


ただ一つの事実に基づくならば。


「当たり前だよ。俺はミナナに嘘をつかないからね」


彼は何よりも正直者だ。


ミナナの前ならば、懺悔室も要らず――もっとも、彼と会話するのができるのもミナナだけだが。


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