記憶の桜 -栄枯幻世-
「す、すいません。何度も見た光景なのに、今日は何か笑えてきて…」
「安心しろ。これからも毎日のように見れる」
「うおっ!斎藤、いきなり現れんな!」
永倉さんは突然現れた斎藤さんに驚き、原田さんの影に隠れる。
「毎日…?」
「そうだよ!此処が涼の家なんだから」
藤堂さんが笑顔で私を見た。
私は自分の居場所をようやく見つけたようだ…。
もう私は独りじゃない…、彼らがいてくれる。
その嬉しさに自然と頬が緩んだ。