記憶の桜 -栄枯幻世-
【藤堂】



涼が笑った。




哀しそうな顔をしてたあいつが…。




可愛いと言うより、綺麗の方がしっくりくる涼の容姿。




でも、今、見せた笑顔は無邪気な子供のような可愛い笑顔。




「どうしました?藤堂さん」




歳が近いだろう涼に敬語やさん付けされるのは何か堅苦しく感じる。




「なぁ、涼。敬語とさん付け止めないか?」




突然のオレの指摘に驚いた涼は、少し考えるそぶりをした。




「じゃあ、平助君?」







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