記憶の桜 -栄枯幻世-
私の目の前にいる浪士は、家族の仇として追っていた男、尾崎清太郎だった。
「尾崎ぃいいぃいい!!!!」
私は腰に刺していた刀を抜き、奴に斬りかかる。
「止めろ、涼!」
小物屋に行っていたはずの土方さんが、私を羽交い締めにした。
「放してください、土方さん!奴が…、両親と愁を…っ」
「誰かと思ったら、思い出した。貴様、葛葉の娘か」
忘れていた…?
私の家族を殺しておいて、忘れていた…?