記憶の桜 -栄枯幻世-
「あの人を追い詰めたのは俺なのに、あの人…、
『土方君、これは私が決めた事です。決して、君のせいではありません』
って言ったんだ」
土方さんの声にはいつもの覇気が無い。
「切腹の命令を出したって言うのに、幹部も隊士も…、誰も俺を責めやしねぇ…」
彼の肩が震え出す。
泣いてるの…?
私は土方さんに歩み寄り、膝を付くと、彼を後ろから抱き締めた。
気位の高い彼は人に泣き顔を見られたくないと思ったから、前には回らなかった。