記憶の桜 -栄枯幻世-


「何!?慶喜公がいない!?」




しかし、大阪城に着いたものの、そこには大将である慶喜公はいなかった。




「ああ、上様は江戸に向かわれた」



近藤さんは痛々しい腕を布で吊ったまま、その旨を私達に告げた。




慶喜公は会津公を伴われ、船で江戸に向かってしまった。



新選組や旧幕府兵が必死に戦っていたのに、大将が真っ先に引いてしまった。





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