記憶の桜 -栄枯幻世-
「ありがとうございます、原田さん、井上さん」
それを受け取ると、私はほどよい苦さのお茶を一口飲み、お饅頭を食べた。
口の中にあんこの甘さが広がり、苦いお茶とよく合う。
「悪いな、2人共」
土方さんもお茶を飲み、息を吐いた。
その場に和んだ空気が流れる。
暖かい陽射しを浴び、昨晩あまり寝ていないせいか、眠気が襲ってきた。
穏やかな陽射しとその和やかな空気に誘われ、私は眠りに落ちて行った。